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6/3付け産経新聞社説

■【主張】河野氏発言 中国の分断策に乗る恐れ

 河野洋平衆院議長が一日、五人の首相経験者を招き、小泉純一郎首相の靖国神社参拝取りやめを提起した。各氏は首相に慎重な対応を求めることで一致したという。

 立法府と行政府の長の経験者が集まり、現職首相の外交に圧力をかけようとするのは適切だろうか。中曽根康弘元首相は「立法府の長が、行政府の長の経験者を呼びつけて意見を聞くことはあり得ない」と出席を断ったという。これが常識である。

 憲法六五条は「行政権は、内閣に属する」と明記している。

 河野氏は席上、「昨今の日中、日韓関係の急速な悪化は看過できない。大きな原因の一つに、首相の靖国参拝がある」と述べたという。

 この発言は、中国の胡錦濤国家主席が「目にしたくない動き」として、首相の靖国参拝などを批判したことと同一歩調を取っていると受け取られかねない。これは結果的に小泉首相を中国とともに揺さぶることになる。

 忘れてならないのは、戦後四十年間、首相の靖国神社参拝は慣例として春秋の例大祭や終戦記念日に行われてきた事実である。

 中国は、靖国神社にいわゆる「A級戦犯」が合祀(ごうし)されていることを問題にしているが、「A級戦犯」は昭和五十三年秋に合祀され、マスコミに報じられたのは翌五十四年春である。そのとき、中国は表立って抗議していない。大平正芳首相もその年の春の例大祭に予定通り参拝している。

 当時も一部に問題視する声があり、大平首相は国会で「A級戦犯、あるいは大東亜戦争についての審判は歴史が致すであろう」と答えている。国のために死んだ人々を慰霊することが、いずれの国でもみられる自然な光景であることを言いたかったに違いない。

 河野氏は宮沢内閣の官房長官だった平成五年八月、「従軍慰安婦の強制連行」を認めた談話を発表した。だが、後に石原信雄元官房副長官の証言などによって、公式文書には強制連行を裏付ける資料はないことが判明した。ただ誤解は内外に広がり、取り返しのつかない負の遺産を残した。五年前の外相時代も北朝鮮へ巨額のコメ支援を行ったが、何の成果もなかった。

 政治家には常に国益を踏まえた行動が求められている。
by rjw.tunetune | 2005-06-05 09:47 | 日記
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