産経社説 こちらこそ驚いた
7日の産経新聞は「驚かされた朝日新聞社説」と題して、教科書問題の主張を掲げた。しかし、それを読んで、私たちの方こそ驚かされたというのが、率直な感想である。 産経社説は、こう主張している。 「(6日の)朝日新聞社説は、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の歴史・公民教科書だけを取り上げ、……『バランスを欠いている』などと批判している」「1社だけを狙い撃ちするような社説は、教育委員に不必要な予断を与えかねない」 朝日新聞はこれまで「検定はできるだけ控えめにすべきだ」「教科書は多様な方がよい」と主張してきた。その考えはいまも変わらない。 それでも、「つくる会」の歴史教科書を取り上げて批判したのは、やはり教室で使うにはふさわしくない、と考えざるをえなかったからだ。 >教室で使うのにふさわしくないと考えたのは何でしょう。それも、一社集中砲火で。 戦後の日本は、戦争や植民地支配でアジアと日本の民衆に大きな犠牲を強いたことを反省して出発したはずである。過去にきちんと向き合い、そのうえで周りの国々と未来を志向した関係を築いていく。それが日本のあるべき姿だろう。 「つくる会」の教科書は、子どもたちが日本に誇りを持てるようにしたいと願う余りだろうが、歴史の光の面を強調しすぎて、影の面をおざなりにしている。その落差が他社の教科書に比べて際立ち、バランスを欠いているのだ。 >朝日の普段の論調も、影の部分を必要以上に、場合によっては、恣意的に強調して論じており、著しくバランスを欠いてるような気がしますけど。 だれでも自分の国を大切に思う気持ちに変わりはない。しかし、同時に他国の人たちに十分目配りをしなくてはならない。そうでなければ、正しい歴史を次の世代に伝えることにはならない。私たちが批判したのはそのことである。 >大陸政権や半島政権の言い分ばかりを鵜呑みにするのが正しい歴史認識なのでしょうかね。彼らの反日行動は、正しい歴史認識の結果であり、日本人は、先祖の悪行に対して永遠に謝罪を続けなければならない、そして、周辺の係争地の領土はすべて、それらの国家から日本が武力で奪い取ったということを認め続けなければならないのですかね。 産経新聞が「つくる会」の教科書を後押ししたい気持ちはよく分かる。発行元の扶桑社は、産経新聞と同じフジサンケイグループに属しているのだ。 >まあ、朝日新聞グループが教科書を作らなて良かったと思います。もし、検定不合格もしくは、修正が入った場合、あなた方は、明らかに、権力の不当介入だ、とか、検閲だとか、騒ぎ立て、大陸政権や半島政権にご注進にはしり、社説に大々的に、「戦前回帰の教育現場を憂う」とか書きたてて、大騒ぎするでしょうね。 それどころか、産経新聞は98年1月の社説で「新聞社が教科書づくりにかかわるのは初めての挑戦であるが、『つくる会』ともども、読者および国民の支援を仰ぎ、また批判も受けたい」と書いていた。「つくる会」が教科書づくりを始めたころのことだ。 自らがかかわっている教科書を自社の紙面で宣伝してきたと言われても仕方あるまい。 もう一つ驚いたのは、扶桑社の営業担当者が検定中の申請本を各地の教員らに渡していたことだ。同社は3度にわたり文部科学省から回収などを指導された。この事実が国会で明らかになった。 産経新聞はこれまで、「つくる会」の申請本の内容が外部に流れて報道されたり、批判されたりするたびに、「検定作業にあたる教科書調査官に先入観を抱かせる」「書かないのがマスコミの良識」などと批判していた。 ほかならぬ扶桑社が流出させていたことについて、産経新聞はどう考えるのだろうか。
by rjw.tunetune
| 2005-04-09 09:17
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